ポリススピナーを後世に残したい

はじめに

2019年というのは「ブレードランナー」にとって本当に特別な年です。
何故ならば1982年に公開されたこの映画は、2019年という近未来を設定した映画だからです。
まさに今年は、このレストア企画をやらなかったらいつやるの?という特別な年なのです!
そして我々は、映画「ブレードランナー」の作品中に登場した近未来の世界の中のガジェットとして世界中のファンから最も人気のある“ポリススピナー”を映画的遺産として位置づけて後世に残したいと考えています。

映画遺産の保管の為に

文化遺産は、人類の文化的活動によって生み出された有形・無形の所産である。と定義されています。
しかし映画で使用された車両の保存や保管、修復などについての予算が公的機関より出ることなど、ほぼ有り得ないという現状の中で我々はどうやって「スピナー」を保全し・管理し・今後の展示会や映画記念イベントなどへの貸出などを行っていこうかと考えました。
本場アメリカには、多くの映画車両などを保管展示するような文化的な施設があります。
私たちは、日本の皆さまにも映画の財産を後世に残すことをご理解の上で企画理念にご賛同頂き、皆さまにもこの企画に参加して頂きたいと考えました。
先ずは我々は自身のポケットマネーをつぎ込んでこの企画をスタートしました。
何故ならば2019年にスピナーを皆さまに公開するには、それなりの準備期間が必要だからです。
車両のレストア部分に関しては、それで先行して作業をしております。
問題は今後の保管や保全に掛かる諸費用を始めとして、車両に万が一があった場合に備えての全てのパーツの型取りやバックアップパーツの用意などです。これには莫大な費用が必要です。
「スピナー」に使われている部品自体がアンティーク品であり、それを正確にメーカーや型番までを調査して更にそのオリジナルを手に入れておくことは本当に大変なことです。
それらの部品や型などを保管するにも、更に「スピナー」三台分くらいのスペースを必要とします。
ただスピナーをレストアすれば、それで全てが終わりではないのです。
たとえ我々がこの世から居なく成ったとしても、 「スピナー」を保全し続けなければなりません。
一度失われてしまったものを完全に再生することは不可能です。似たものは作れても、同じ物を作ることは出来ません。
あの時ああしていたら…。もしあの頃映画的遺産という概念があったら…。そう思った時には既に遅いのです。

パーツ毎に分解されたスピナー。

police spinner restore projectの成り立ち

自己紹介

ポリススピナー レストアプロジェクト代表の小泉です。
アンティークトイショップ「ノスタルジック・ヒ−ローズ」という会社を経営しています。
現在KAIZER FACTORYという会社をこの企画の為に立ち上げ、この夢と希望を叶える企画を運営しています。

ポリススピナーとの出会い

初めて映画「ブレードランナー」を見た時、美しい映像に一瞬で心を奪われこんな世界に住みたい!と本気で思いました。
特に劇中に出てくる未来の車“ポリススピナー”(以下スピナーと略)は流線形に光り輝きながら空を飛ぶその姿が特別な存在として、その後の私の人生の一部までをもがっしりと掴みました。

「スピナー」入手

1990年に、本当に偶然私はこの映画の撮影に使われた本物の「スピナー」が世界各地でのプロモーション活動や他の映画への出演などを経てアメリカで売りに出されることを知り、奇跡的に「スピナー」を手に入れることが出来ました。
文字に書くと簡単ですが、手に入れるまでの困難は言葉には出来ません。

日本に上陸したポリススピナー

日本での「スピナー」

こうして世界に1台だけの走行用「スピナー」は1990年に日本に上陸しました。
しかしそれと同時にその姿をほとんど消しました。表舞台に姿を現したのは数回だけです。
そして1996年を最後にその姿を完全に消してしまいました。
再びその姿を現したのは2017年11月に開催された「東京コミコン」でした。
しかし会場に姿を現したのは「フロントタイヤカバー」片側だけでした。
その理由は「スピナー」の経年劣化や破損でした。

「スピナー」を元の姿に!

「スピナー」は本当に特殊な車です。
その構造やパーツについて正確なデーターを入手することすら困難です。

映画の中でもその姿を確認出来るシーンは、ほんの僅かしかありません。
製作時や映画撮影時の写真や資料もほとんど手に入りません。
映画を製作したリドリー・スコット監督が、自分の映画に使われたモノを映画撮影後に他の映画などに転用されることを嫌い全て廃棄するように命じたことも非常に大きな要因といわれています。
そんな困難な状況を生き抜いた「スピナー」ですが、入手した際には既にオリジナルとは改変されている箇所やリペイントなどが施されておりレストアしたくとも下手に手が付けられない状態でした。

オリジナルからの改変や リペイントなどが施されている。

槇野氏との出会い

今回こうしてレストア作業が出来るようになったのは、日本側のスーパーバイザーとして参加してくれているMackyこと槇野氏との出会いがあったからです。

彼は長年「ブレードランナー」を研究しており、 「スピナー」についても私の知る誰よりも豊富な知識と貴重な資料を持っていました。

彼と手を組むことで今回のレストア企画が始まったと言っても過言ではありません。

槇野氏(左)

ジーン氏との出会い

2017年の12月に私は横浜で開催されていたイベントで映画製作時に実際に「スピナー」を製作されたジーン・ウィンフィールド氏(以下愛称のジーンと略)ご本人とお会いすることになります。
ジーン氏はアメリカではホットロッド界のレジェンドとして称えられる有名なカービルダーであり、日本のイベントには毎年ゲストとして招かれていましたので、我々はその場にアポイントを取ってジーン氏を訪ねました。
ジーンは最初私たちが「スピナー」を保有しているということに???という感じのリアクションでした。
しかし実際に現在の「スピナー」の写真を見てもらい、更に直接会場に持参した「スピナー」のフロントスクリーンの割れてしまっている破片を見せると本当に懐かしそうに見ていたのが印象的でした。
私はジーンに自分が「スピナー」をどれだけ愛しているか、そしてどうしても映画撮影時の状態に戻したいということを熱く語りました。
本当にありがたいことに私の思いが通じたのでしょうジーンには、何とその場で「スピナー」レストアのお手伝いをして頂ける事に同意を頂き、 「スピナー」レストアのスーパーバイザーとして我々の企画に参加して頂ける運びになりました。

ジーン・ウィンフィールド氏(左)

ゲーリー氏との出会い

2018年の1月に我々は世界中の「ブレードランナー」ファンの聖地ともいえるサイト「BLADE ZONE」を管理されているゲーリー・ウィロビー氏とコンタクトを取り始めました。
我々が「スピナー」を保有していること、そしてジーンをスーパーバイザーに迎えてレストアを進めようとしていることを伝えてこの企画への協力をお願いしました。
ゲーリー氏は長年行方不明になっていた「スピナー」を探しており、正に渡りに船といった感じで我々の企画に全面的な協力を申し出てくれました。
ゲーリー氏の持つ世界的な「ブレードランナー」ネットワークを介して我々は世界中の様々な人物と繋がることが出来ました。
これは本当に有益なものでお金では買えない、ブレラニアン(ブレードランナー狂の俗称)の世界に入り込むことが出来たのです。

シド氏との出会い

ゲーリー氏からのご紹介で繋がった重要人物の一人がインダストリアルデザイナーのシド・ミード氏です。
フューチャリストと呼ばれるシド氏は「ブレードランナー」の世界をデザインした中心人物で、近未来的なデザインを創り上げる孤高のデザイナーです。
2018年4月に我々はアメリカを訪れ「ブレードランナー」の為に「スピナー」をデザインされたシド氏と直接お会いしてこの企画への熱い思いを直接お伝えして、権利関係を含めてのご協力を直訴させていただきました。
シド氏からは、ここまで来るなんて君達は勇者だね!と称えられ、熱い握手を結ぶことになりました。

シド・ミード氏(右)

ジーン氏の工房を訪れる

2018年の5月に我々はジーンのファクトリーのあるモハベ砂漠まで足を運びました。
ジーンが保有している「スピナー」のFRP型の確認調査と実際の当時のスピナー製作についての各パーツの製造手法や素材部品の確認作業が目的でした。
各パーツを細かく分類したパーツごとのデーターに基づいて、我々はその一つずつの確認作業を繰り返し「スピナー」製作までの1982年の足跡を検証しました。
我々の徹底した検証にジーン氏は最初驚いていましたが、やがて記憶の糸を再度紐解きながら「スピナー」製作時の様子を詳細に我々に語ってくれました。
新たに必要と判断したオリジナルのパーツを発注し、既存のパーツを使用するものとの分類を進める作業は効率的に進められ我々はレストアの為に必要な情報を収集することに成功しました。

35年ぶりの再会 そして検証

2018年6月にはジーンが日本を訪れ、 「スピナー」との約35年振りとなる再会を果たしました。
ジーンの第一声は「綺麗に保管していてくれてありがとう」でした。
37年の時を越えた「スピナー」は、ジーンの想像を超えて遥かに美しい状態だったそうです。
我々はジーンと共に「スピナー」を完全に分解する作業をしながら、全ての部品を電球一つ・ネジ一本まで検証するという気の遠くなるような検証を行いました。
我々の第一の目標は映画撮影時と同じ状態に「スピナー」を戻すことですので妥協という言葉は存在しませんでした。
レプリカ車両ではないので、全てを当時のままのオリジナルの部品で組み直すことに価値があると考えているからです。

「スピナー」を完全に分解し、全ての部品を電球一つネジ一本まで検証

商品化権の交渉

「ブレードランナー」の商品化権は映画公開時にほんの数点の商品のみが発売されましたが、その後は一切許諾されることが無く今日まで来ています。
我々の目標は単なる「スピナー」のレストアだけに留まらず、この商品化権を35年間の眠りから目覚めさせることにあります。
誰も知らない本当の「スピナー」が姿を現すのですから、2019年という特別な年を世界各国の多くのSF映画ファン、そして多くの「ブレードランナー」ファンの手元に様々なグッズを届けたいと考えており、権利者と2019年11月の許諾を目指して直接アメリカで商品化権専門の弁護士を雇い商品化権の所有者との交渉をしています。

レストア作業

当初は「スピナー」をアメリカのジーンの工房に送って、レストア作業を行って貰おうかと考えていたのですが、実際にジーンのところに残されている型やレストア環境、そして我々の「スピナー」の持つオリジナルのパーツと日本国内でのレストア環境というものを比較検討した結果、我々はジーンによりスーパーバイズの元において、SKYPEや電話による指示を仰ぐことにより日本で作業した方がより早くより安全にレストア作業が行えるであろうという結論に至りました。
日本のレストアを担当する工場は会長さんが戦前よりクラフトマンとして腕を振るっていた老舗の工場でお願いすることになりました。
なおこれは余談ですが、ジーンと会長は戦後間もない頃に、東京の築地近くの別々の板金工場でお互いに修行をしていた事が分かり当時の思い出を懐かしそうに語り合っていました。
金属の板一枚からあらゆるパーツを叩いて生み出す本物のクラフトマンのみだからこそ分かり合える特別な時間が、そこにはあった気がします。
しかしアメリカのホットロッド界のレジェンドが、終戦後の日本でメタルワークを覚えたという事実には本当に驚かされました!

クラウドファンディングへの参加のお願い

お披露目会

我々は、企画に賛同して頂き、クラウドファンディングにご参加頂ける方に向けて、 「スピナー」お披露目のイベントを企画しております。
「スピナー」は走行しながら会場入りし、全てのライトを輝かせながら、油圧で開閉するガルウィングドアが開閉するその姿を皆様の目の前で実演させて頂きたいと思っています。
これは我々の考え方に賛同していただき企画を後押しして下さった皆さまへの我々からのプレゼントだと位置づけています。
会場では「スピナー」のシートに座ったり、記念写真を撮影したり、私共の「スピナー」の限定生産品の発売、もしも可能であれば映画
「ブレードランナー」出演俳優をゲストを招いてトークショーや直筆サイン限定販売を企画しています。
また会場でのブレードランナーの特別映写会等も企画しております。
非日常の「ブレードランナー」の世界に触れられる「スピナー」との特別な日を皆様と一緒に過ごせたら幸せに思います。

東京コミコン

11月30日より12月の2日までの三日間幕張メッセで開催される東京コミコン会場にて「ブレードランナーの世界」を再現したブースを製作するという企画をブラスター製作で有名な留之助商店の中子真治氏と共に現在企画をしております。
こちらでは正式に「ブレードランナー」の商品化権を取得した各種限定商品の発売とスピナーの展示を予定しております。
またこちらのイベントでは多くの「ブレードランナー」「ブレードランナー2049」出演者が来日頂ける様に現在交渉中ですのでこちらもお楽しみにしていて下さい。

商品化権の管理 監修窓口となる

我々の今回のクラウドファンディングの目標は単に「スピナー」レストアだけに限りません。
残念なことに1982年公開された「ブレードランナー」について商品を監修する能力がある窓口はありません。
映画公開時依頼、閉ざされたままの商品化権の管理や監修部門の設立をして、我々が持つ正しい「ブレードランナー」の知識を生かした活動をしたいと考えております。
単に映画を見ただけでは分からない資料を基に多くのクリエーターやメーカーが素晴らしい「ブレードランナー」製品を世に出す手助けが出来ればと考えております。
単なるファンではなく、我々はこの道のスペシャリストとなることを目指します。

最終的な夢 「パーフェクトスピナー」の製作

今回スピナーをレストアし、多くの謎が解けると共に、この企画を通じて国内外の「ブレードランナー」を愛する方々と交流することを通じて、今までは謎のベールに包まれていたスピナーについて非常に詳細な資料が手に入りました。
我々はスピナーの保存・管理の為に製作した型やジグを使用して、オリジナルの同等のスピナーを作ることが出来ます。
映画の中では大きく分けて「走行タイプのスピナー」、「飛行タイプのスピナー」、そして内装と合成画面作成用のプロセスカーの3種類の「スピナー」が存在していました。
それぞれに撮影のカットごとに役割があり、我々が映画を見た時にイメージした「スピナー」を再現出来る車両は実は存在していません。
そこで我々はプロセスカーの内装を持ち、走行タイプの外装から変形して飛行タイプへと形を変える「スピナー」の製作をこの企画の最終目標としています。
ただし新たなるパワートレインの設計や、新規製作の内装の再現や車を浮上させながらフロントタイヤ部分を変形させ、エアーブレーキパネルを開き煙を吐き出すなどのギミックを新たに作り込まなくては成りません。
この部分に関しては、驚くほどのお金も時間も掛かります。
本当に多くの皆様の企画参加及び後押しが無ければ実現するのは難しいと思います。
しかし皆さんが本当に見たいと思っているのは、この「パーフェクトスピナー」であろうと思います。
これが実現すれば日本以外の世界中にも「スピナー」の素晴らしさを伝えることが出来るようになります。

我々は本気で歴史的な映画遺産「スピナー」を後世に残したい!と思っています
夢は叶うものではなく、強い信念の元に願い叶えるものだと我々は考えております。
ぜひ皆様に我々と同じ夢を見る企画に参加して欲しいのです。
2019年は一度しかありません。
一緒に楽しい2019年の想い出を作れたら最高です。
「スピナー」を愛する皆様の企画へのご参加をお待ちしております。

KAIZER FACTORY
代表:小泉 雅英

現在、ポリススピナー・レストアプロジェクトの
クラウドファンディングサイトを準備中です。


サイトが完成次第お知らせをさせていただきますので、
ぜひメンバー登録をよろしくお願いいたします。

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レストアされた「スピナー」が空に舞う日を夢見て。"Have a better one !"